栄養素ではない食物繊維の重要性は?(その1:定義・種類と摂取の現状)

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栄養素ではない食物繊維の重要性は?(その1:定義・種類と摂取の現状)

健康情報

2018/10/29 栄養素ではない食物繊維の重要性は?(その1:定義・種類と摂取の現状)

俗に言う五大栄養素とは、炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・無機質(灰分,ミネラル)です。しかし炭水化物は正確には、栄養になる糖質とそうでない食物繊維とを含みますので、五大栄養素という言い方においては、炭水化物ではなく糖質とすべきで、食物繊維は除かれなくてはいけません。すなわち食物繊維は、ヒトの消化酵素で分解されない食物中の難消化性成分の総体で、栄養素ではありません。「第6の栄養素」とも称されますが、その真意は、体の中を通過する際に、栄養素にも劣らない健康によい生理作用を発揮するからです。

 

日本食品標準成分表(最新版は2015年版(七訂)追補2016年)では、炭水化物の総量は、従来から「差引き法による炭水化物」、すなわち、水分・タンパク質・脂質・灰分等の合計()100gから差し引いた値を示しています。従って炭水化物の表示項目には炭水化物(総量)の他に、利用可能炭水化物(単糖当量)と食物繊維があり、さらに食物繊維は水溶性・不溶性・総量に分けて掲載しています。栄養価計算に際しては、利用可能炭水化物(単糖当量)の量()を使います。

 

一方、日本人の食事摂取基準(2015年版)によれば、食物繊維の目標量も定められており、成人(18歳以上70歳未満)1日で男性20g、女性18gとなっています。しかし摂取量の現状(平成28年国民健康・栄養調査結果の概要)は、男女計(20歳以上)114.7g(その内、水溶性3.4g+不溶性10.7g)と、男女差は僅かですが、共に摂取不足は明らかです。

 

食物繊維には水溶性と不溶性の2種あり、前者は大麦のβグルカン、果物・野菜のペクチン、海藻のアルギン酸、こんにゃくのグルコマンナン等が、後者には細胞壁の構成成分であるセルロース・リグニン、カニ・エビの殻のキチン・キトサン等が含まれます。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

次報では、水溶性と不溶性の生理作用と違いと上手な摂取法について、紹介します。

 

 

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