市販コーヒー飲料に含まれるクロロゲン酸のHPLCによる定量分析

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〒606-0805 京都市左京区下鴨森本町15番地 生産開発科学研究所ビル2F

右手にペンとメモ、左手にピンセットを持って研究をしている

市販コーヒー飲料に含まれるクロロゲン酸のHPLCによる定量分析

新着情報

2019/01/30 市販コーヒー飲料に含まれるクロロゲン酸のHPLCによる定量分析

ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸は、コーヒー豆から初めて見いだされた成分です。その生理作用については、弊社HPの健康情報「コーヒーは健康に良い?悪い?(その2:有効成分と飲む限度)」でも紹介しました。

正確にはクロロゲン酸類として、カフェオイルキナ酸(CQA)、フェルロイルキナ酸(FQA)さらにジカフェオイルキナ酸(di-CQA)の3があり、それぞれの異性体が数~数十存在しています。コーヒー豆中のクロロゲン酸類は、5-CQA(クロロゲン酸)が主成分3-CQA4-CQA5-FQA等が副成分をなしているとの報告(河野洋一ら:BUNSEKI KAGAKU,65,p331-334(2016))があります。

 

弊社では今回、GLサイエンス社の技術報告LT067HPLCによるコーヒー中のクロロゲン酸の分析」を参考に少しアレンジした条件で、市販のコーヒー飲料数種の分析を試みましたので、その結果を報告します。

 

典型的な試料液のHPLCのクロマトグラムを解析した結果、RT14分に主ピークが検出され、標準品の5-CQAと一致しました。さらにRT12分にも副ピーク(3-CQAと思われる)が検出され、この2ピークで全ピーク面積の8090%前後を占めることが判りました。従って、試料液中のクロロゲン酸含有量は、上記の2ピーク面積の合計を5-CQAの検量線から換算した値としました。

市販のコーヒー飲料に含まれるクロロゲン酸の定量結果(平均値)は次の通りです。

・Oコーヒー     : 38 mg/140mL

・Mコーヒー     : 29 〃

・G&Sコーヒー    : 18 〃

・インスタントコーヒー: 18 〃   (2gを140mLの湯に混合後濾過)

・Hコーヒー     :205 〃

クロロゲン酸は豆の焙煎度が上がる(深煎り)ほど減少することが知られており、G&SのSコーヒー店は深煎りが定番のようなので、インスタントコーヒーと同じ低レベルであったと思われます。通常のコーヒー飲料では3040mg/140mLでした。これらの値は、静岡県環境衛生科学研究所の商品テスト情報(平成276,No.154)「カテキン、クロロゲン酸含有健康食品」に記載のデータ(2040mg/140mL)とも、良い一致を見ました。Hコーヒーはクロロゲン酸類を強化した特定保健用食品なので、200を超える値は表示値からも納得できる結果でした。

 

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