0774-32-4343
〒606-0805 京都市左京区下鴨森本町15番地 生産開発科学研究所ビル2F
健康に良い油と悪い油(その3:上手な摂り方)
前報までで、生理作用の違いによって健康に良い油と悪い油があり、その違いは油を構成している脂肪酸の種類が関係している(前者は主にω3・ω9不飽和で、後者は飽和・トランス)ことが判りましたので、この最終報では具体的な油の摂り方を食事摂取基準(2015年版)から言及します。
まず脂質に関して、食事摂取基準の2010年版からの改訂点を押さえておく必要があります。一つは三大栄養素の摂取エネルギー比率(PFCエネルギー比)の内の脂質の上限が25%から30%に引き上げられたことで、もう一つは2010年版ではあったコレステロールの摂取基準(目標量)がなくなったことです。脂質の一種であるコレステロールは、肝臓で食事からの何倍も合成されており、食事由来の影響は大きくないと判ってきたからです。
改めて三大栄養素の摂取エネルギー比率(成人)の内の脂質は20~30%です。動物・植物・魚由来の脂肪摂取割合は4:5:1程度で、脂肪酸としては飽和・一価不飽和・多価不飽和の摂取割合は3:4:3が目安です。ω3とω6の割合は1:4ですが、ω6の大過剰(4→数十)が現実のようです。
最後にこれらの数字を基にして、実行可能である上手な摂り方をまとめてみます。
まず脂肪を過度に敬遠せずに「量より質」で、良い油を積極的に摂ることを考えましょう。実際には「飽和やトランスは控えめに、ω6の代わりにω3やω9を」となりますので、それぞれを油に置き換えてください。その際、ω9のオリーブ油は加熱に強く、ω3の油は加熱に弱いことを知って、調理の際に使い分けてください。また二重結合を多く含む油ほど酸化され易いので、長期の保存や加熱の繰り返し等での品質劣化に注意が必要です。さらに見えない油として肉・魚・穀物・豆類からの摂取が全摂取量の7割を占めていますので、これらを含めたバランスの良い摂取を念頭に置く必要があります。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)
19/11/21
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19/11/11
19/11/05
19/10/28
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前報までで、生理作用の違いによって健康に良い油と悪い油があり、その違いは油を構成している脂肪酸の種類が関係している(前者は主にω3・ω9不飽和で、後者は飽和・トランス)ことが判りましたので、この最終報では具体的な油の摂り方を食事摂取基準(2015年版)から言及します。
まず脂質に関して、食事摂取基準の2010年版からの改訂点を押さえておく必要があります。一つは三大栄養素の摂取エネルギー比率(PFCエネルギー比)の内の脂質の上限が25%から30%に引き上げられたことで、もう一つは2010年版ではあったコレステロールの摂取基準(目標量)がなくなったことです。脂質の一種であるコレステロールは、肝臓で食事からの何倍も合成されており、食事由来の影響は大きくないと判ってきたからです。
改めて三大栄養素の摂取エネルギー比率(成人)の内の脂質は20~30%です。動物・植物・魚由来の脂肪摂取割合は4:5:1程度で、脂肪酸としては飽和・一価不飽和・多価不飽和の摂取割合は3:4:3が目安です。ω3とω6の割合は1:4ですが、ω6の大過剰(4→数十)が現実のようです。
最後にこれらの数字を基にして、実行可能である上手な摂り方をまとめてみます。
まず脂肪を過度に敬遠せずに「量より質」で、良い油を積極的に摂ることを考えましょう。実際には「飽和やトランスは控えめに、ω6の代わりにω3やω9を」となりますので、それぞれを油に置き換えてください。その際、ω9のオリーブ油は加熱に強く、ω3の油は加熱に弱いことを知って、調理の際に使い分けてください。また二重結合を多く含む油ほど酸化され易いので、長期の保存や加熱の繰り返し等での品質劣化に注意が必要です。さらに見えない油として肉・魚・穀物・豆類からの摂取が全摂取量の7割を占めていますので、これらを含めたバランスの良い摂取を念頭に置く必要があります。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)
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